九谷の磁器は、黄緑紺紫赤の5色を使った絢爛豪華な絵が特徴。
今は亡き三代目徳田八十吉さんのことを紹介したVTRを手に入れていました。見る機会を持てずにいたのでした。すでに亡くなられて拝見して、九谷焼きの伝統ってアグリッシブな感じがあるのかなぁ…?
五十吉さんの亡くなったときにも、どんな感じだったのだろう…?九谷について知りたく思っていました。だけど、亡くなられて…八十吉さんも亡くなられて…遅くなりましたが、このVTRを拝見して最初に目を引いた九谷が私にとっては八十吉さんの花瓶やお皿だったので、感慨深く思います。
三代八十吉さんは受け継いだ色を独自のものへされていった話。
成形した器の表面をやすりでこすり平らにきれいにして、塗っては焼き…を繰り返している。
思った通りの色、文様が出るように何度も計算して窯で焼く…って、描かれている様子で見える色はこんな色で?という色重ねされたものから違う色が出ますね。
三代目の色は電気窯でしか出ない色なんだそうです。薪では出ない色って今だからこその作品なんですね。現代だからこそ…新しい色なんだそうです。
昔使われていた色絵の窯。
今は使われていないんだって。

秘伝を息子ではなく孫に伝えていった初代だったそうです。
昭和31年に初代は亡くなって、当時22歳のお孫さんだった三代目。色の秘伝を12通り、伝えたんだって。半年ではそれだけだった…と三代目は途方にくれたんだそうです。
そんな中、お経を見て、初代の手帖にある文字が、そのお経の文字で1~10を暗号化していたことを発見。100以上あった色を教えてもらった12の色から解読して初代の色の調合を習得されたのだそうです。
三代八十吉さんは自分の色も無数に…。
色の調合は他にもらさないというのは、どこの窯もそれが一番その窯らしさにつながるということなのでしょうね。
創生?この字でいいのかな…その作品が気にいっている作品だそうです。
2回焼いて終わろうってしていたら、失敗していたそうです。そこで高温にして3回目を行ったら筋ができて新しい顔が出てきた…って。
本当に新しいものが出るということは偶然…なんだと思わされました。


線の集合体が面。数学の世界のような話をおっしゃっていたのですね。
二度目に失敗して三度目に…って計算されたものに三度目。
失敗したと思うものに手を加える面白さ。同じものをもう一度となると、偶然ではなくなる。
「恒河」

この花瓶にテッセン一輪さして、お花の展覧会に出品された方がいるんだそうですねぇ…すごい。
同じ作品かな?お店で飾ってあるのを拝見したことがあります。
「心円」
「石畳」

代表作を前に語る姿がVTRの中でありました。
同じものを作り続けることが伝承。
伝統とは形骸を伝えるのものではなく、精神を伝えるものである。
精神を受け継いで、作者らしさをその中で生み出す。
いろんな伝統を持つ中で生きている人たちの言葉を伺い学ぶ機会を持ちます。本当に、伝統とは?考えさせられるものです。
焼き物の表面に入る貫入は、生地と釉薬の収縮率の違いで現れるのだそうです。
「共生」
貫入は、窯から出てすぐ入ることもあるし、何年たっても入らないこともあるのだそうです。
徳田順子さん、現在の八十吉さん(4代目)ですね。
若い姿。
四代目襲名されて、今はどんな感じなのでしょう…?
三代目に似た作品を亡くなられた後拝見する機会が多いなぁ…って思いますね。
加賀料理の老舗での八十吉(三代)の器に料理がのっている映像は、やはり器は料理のためにあるものだなぁ…って思わされますね。すごい。
作っている人間には使ってもらえてどうか?
表面の装飾が中心の九谷。
自然体、率直、自分の仕事に意欲を失われていない。
作る人間はどういう風に使われるか?
美しい物良いものを作ろうが先立ち、どう使われるかを忘れがち。
自分の心にあう線は一本しかない。
『無限の彩を求めて』徳田八十吉
やきもの探訪
『三代徳田八十吉 陶の譜』
というVTRを見ながらのメモでした。
何度も窯で焼いて行くうちに光に近づいていく。
「旋律」
九谷の色を受け継ぎながら現代的な鮮烈さがあふれている
「恒河」
幻想的な色合い
「彩釉壺」
瞬間瞬間、全く別の表情を見せる海
24時間、365日の海
「黎明」
日の出がモチーフ
50以上の色が塗り重ねあって、朝の陽光を表す

画像が欲しい…と思うとこういう形が一番載せやすいのでした。





本当に素敵だなぁ…。
ボーっと眺めていたのは何年前なのでしょう。
九谷焼って、一言で言うと「けばい」ってイメージしか持っていなかったのです。でも、当時の私には毒々しく色がいっぱいというイメージだったものを変えていってくれました。
いろいろと教えてくださった…九谷焼を販売されている社長さんに感謝。
昨年は同様にVTR今右衛門を拝見したんです。
あと…数本VTRまだ見ていないので、見よう!って思います。