教えると言うことは

私は、この本のこの部分は、初めて家庭教師をするときに、父にきつく言われて…って、そんなこと知ってるよ…って思いながら言われた言葉で、改めて読みながら、他の人も同様のことを言う…と嬉しくおもった部分です。

 

教えるということは、「できない人を、できる人に変えること」です。

 

この文章の言葉を忘れていると、いっちゃうことば…

 

「いまの生徒は…」

「最近の新人は…」

 

私は、この言葉を言うようになったら、上司なり、先生なりのピークは過ぎたと考えています。

なぜなら、こうした言葉が頭に浮かんでしまうということは、自分の知識を部下や生徒のレベルに合わせることができなくなったことを意味しているからです。

 

ということで、父に私が教わった言葉は

 

「相手のレベルにまでおりて話す」を忘れてはいけない

 

正直、難しいです。特に家庭科でそれをするのは。

他の教科だと…って、たとえば数学だと、足し算ができないのなら足し算からフォローすればいいと思います。

たとえ、因数分解を教えなくてはいけなくても…、英語ならたとえ仮定法をおしえなければいけなくても…、なんて難しい話であろうとも、家庭教師をしているとき、最初にどの程度できるんだろう…?探りました。高校2年生の英語の家庭教師をしたとき、じゃあ…と英検3級問題をさせたら、馬鹿にしてるだろう?と言われましたが、3級が高校入学程度なら…そこで確認してみたら…解けて当たり前と思っているか、それを難しいと思う生徒かわかります。

中学3年生に教えたとき、「He am」など…高校に入学できるようにして欲しい…という親の願いに理解しながらも、どうしたら勉強するようになるか?必死に考えたことは、今でも忘れられません。

 

それでいて、改めて読んでこの本のこの文章に反応しているのは、そのところにこう書いてあるのです。

 

「説明を省いてしまえ」と思ったときは、疲れた証拠と心得よ

教える側は日々勉強し、知識が増えていく一方で、それを受ける側はどんどん入れ替わっていくので、レベルは一定です。つまり、教える側がキャリアを積むにしたがい、受けてとの知識量の差はどんどん乖離していってしまうのです。

たとえば、同じ内容を何度も何度もくり返し教えていると、次第に説明不足になっていきます。「AがBを経てCになる」という説明を何度もしていると、その流れは当たり前のことであり、「B」の説明を省いても聞き手には通じるだろうと思ってしまいます。

しかし、それをはじめて聞く聞き手にとっては、「AがBを経てCになる」ことは当然のことではなく、「B」の説明を省かれてしまえば、チンプンカンプンになってしまうのです。

自分のレベルが上がっていても、つねに教えを受ける側のレベルまでおりていくことができるか。じつは、これは非常に難しいことなのです。

 

 

本当に、この文章を読んだとき、この文章は何度でも読んで思い出さないといけない…って思わされました。「ここの説明を省こうかな…」と言う邪念は、疲れている。その発想は、忘れてはいけないなぁ…。

 

そんな本の章の最後に書かれている文章。私は本当に…って納得です。

 

その「いまの若い人」を育てたのは、その言葉を口にする大人たちでもあるのです。いまの若い人を責めるのは「いまの社会をつくっている大人たちはダメだ」と言っているのと同じだと言うことを肝に銘じたいものです。

 

私は、今の若い人、信じられない…という思いが湧くとき、いつもホント…有り得ない!親祖父母…世代のやってきたことの結果と見てました。もうすぐしたら、早いところでは私が教えた生徒たちの子どもたちが高校へ来るのか…と思うと、他人事ではないところ。私はそこを見て、何ができるか?って思ってきていたのですが、その結果が見えてき始める…と思うと、生徒が就職したところの上司と会話させていただくよりは気が楽ですが、少しでもいいから私が大事にしてきたことを伝わってくれているといいなぁ…そう思います。私も未熟でしたし…といっぱい生徒から学ぶこと多い…って、やり方をいろいろ試行錯誤したので、時代と生徒で変わっていってる自分の接し方もありますが、根底に絶対変えない…と最初から貫いていることもあります。それは、私が中学生の頃から貫いていることだから、この先も…変えないとは思いますが、それだけでも伝わっていると嬉しいな。

 

何を書いているやら…って感じになってますが、この本に書かれていることは、やってきたことを言葉にしてくれている…って心強く思える部分と、そのスタンスで慢心してしまったら…という警告的にも取れる言葉たち。そして、同じようなことを悩んでいる人がいるんだ…って、学ばせていただけて感謝です。私は言葉にうまくできなかったことも、言葉になっていたりして、凄いなぁ…って思います。

 

これが絶対ではないし、私も書いてあることを盲目的に全てとは思いませんが、こんなスタンスもOKなんだ…って心強く思わせてくださった本でした。

投稿者:

nova

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