調理と脳科学と

サーストンの多因子論というものがあります。

その理論は、知能の研究をそれまでのものと大きくかえました。

 

もし、それまでのものに固執しているのなら…不幸せかも…。

いろんな価値観があることを受け入れてみることで、可能性が広がるかもしれません。

 

 

それに基づく集団式知能テストが多く…。その例としては、「職業適性検査」があります。

この多因子論では、人の能力はIQのような1次元の総合的な指標ではなく、何本かの独立したものさしの上にプロフィールとして表されます。

IQの高低ではなく、どの能力にすぐれ、どの能力に劣るかが、きめ細かくわかるというのです。。

つまり、多次元的表現で知的能力が示されているということです。

 

基本的精神能力
S:空間因子 (図形や立体を知覚する能力)…………空間的関係の理解
N:数因子 (単純な数の演算能力)……………………計算などの能力
V:言語因子 (語の意味把握や文章理解力)………言葉を使う能力
P:知覚因子 (知覚の速さに関する能力)……………知覚するスピード
R:推理因子 (論理的能力や掲画力)…………………推理する能力
W:語の流暢因子 (語を速く柔軟に使う力)…………なめらかに話す能力
M:記憶因子 (機械的な暗記力)………………………記憶する能力

 

学校での評価って、M:記憶因子に著しく?まだまだ偏っているかなぁ…。特に、大学入試の多くは偏っているよなぁ…。ようやく「推理因子」が入ってきている?入っていたものも以前からあったけど、暗記力を問う入試問題が多いのは事実。それで考える力がない学生が多いというのは、集め方もまずいと思いますね。学生を選考する基準が暗記力でしかないのなら、暗記力がある人を取っている。そこには、推理力等考える力を測り、学生を集めようとする姿勢がない結果だと思います。大学の生徒募集の姿勢と大学で学んだ結果として、その大学の学生は企業等から考える力がないと評価されているとも取れますね。単純に生徒達が解きやすいように…また、生徒達が受けようとするように…なんて高校生が勉強しやすいように(=暗記して対応しやすいように)した問題を出題していることは自分たちが暗記力だけの学生を欲していると言っているにすぎないと思いますね。

ちなみに、「数因子」を求めている…入試ももちろんありと思いますし、「言語因子」を求めている入試もあると思います。なんて、他の因子も求めている入試もあるとは思いますが、記憶さえできればいいような入試…それで集まってきた学生を批判って、企業が採用するのに大学生の本質を見極めきらなかった…というのと同じで、求めるときに見抜く努力を少々怠ったことに通じるのでは?

脱線…

 

言いたいことは、そんな選抜の仕方ではなく、現実にその力をどうしたら身につけることができるか?ということ。

 

脳科学的に…というか、流行っているよね…。脳科学の領域なのか、認知心理学の領域なのか…?よく分かりません。

ただ、脳のしくみをよく理解し、どのような対応をするかを検討する。ただそれだけですよね。
前頭前野は記憶や学習などをコントロールしているところで、ものを考えたり判断したりするときに働くとドンドン詳しくわかってきているようですね。前頭前野は「脳というコンピューターの中のコンピューター」といわれるくらい大切なところ。「頭がよい人」と言われるは、この前頭前野が発達していると考えられています。

人間と動物の脳を比べたときに、多く違うのは、「前頭葉」の中の「前頭前野」と呼ばれる場所。人間の前頭前野は大脳の中の約30%もしめていますが、動物の中でもっとも大きいチンパンジーなどでも7~10%くらいしかないのです。
チンパンジーと比較しても仕方ないとは思いますが、テレビを見たり、コンピューターゲームをしたり…いろいろな情報が入ってくるので、脳が刺激されて活発に働いている…だから、子どもに教育番組などテレビを見せているといいのでは?など、思っている人が多いからでしょうか?また、近年ではiPADを子どもに持たせて遊ばせている方も増えていますね…。タッチパネルだといいのかなぁ~?なんてわからないから、どうなんだろう…?と考えはします。ただ、実際に、テレビを見るコンピューターゲームをするという際には、脳のごく一部だけしか使われていなくて、前頭前野はあまり使っていないことがわかったそうです。ん…前頭前野を鍛えるには至らない…。

 

調理による脳の活性化について研究成果を発表

子どもの生活習慣と脳

調理が前頭前野を活性化させるという研究をされたものがデータとして出てきていたのですが…

豊かな人間性を培う家庭教育の在り方- 家庭教育の方法とその内容についての一考察 –
    指導主事 高 崎 隆 一

にあるのですが、前頭前野を必ず活性化させるとは限らないという事実ももちろん見逃してはいけないと思いますね。

 

失敗させないためのマニュアルを見て動くだけで完璧!みたいな調理実習。火加減もありとあらゆることをすでに教え込む。

絶対に失敗させない…と、料理教室では失敗は許されない…。マンツーマンなど少人数では教え伝える…ここで失敗はなくても、本来は実際に自分でさせると理解できていないところで失敗するはず…と思うのです。それを失敗させないイコール全て教え込む。これでは脳は活性化しないと思います。なぜなら、単に単純作業として書かれている通りをするだけだから。

 

沸騰するまでにどのくらい時間がかかるのか、火加減は?など、本来は考えて作業するということをしています。だけど、すべての行程を言われたように動くだけ…そんな学び方をして考えずに調理している人たちの後を請け負うとき、なんでこんなに受け身で調理するんだ~?と思うのです。また、自分で考えて動く人との違いは何だろう~?ってね。上手でなくても、言葉を自分なりに理解して動いて失敗する…それを大人が恐れすぎた結果として、子ども達が失敗を大きな恐怖と捉える…そう育っているという指摘もありますね。調理だけの話ではありませんが、そんな調理恐怖症をつくるのは結構簡単。

 

料理教室で、教えられている時はできる気がするけど家に帰ったらやっぱりできない…だからずっと通い続ける…これはとっても営業的にはいいと思います。ただ、その循環を生み出している料理教室はどんなことが身につかないか?考える力が身につかないと思われます。つまり、前頭葉を使わずに…ただ作業しているだけ。ポイントもコツも言われた通り…。

 

力を込めて、火加減をきちんとすべて押さえて伝えた…など言われうと思うのです。「バッカじゃない…」

火加減は状態に応じて中火も強火に近くしないといけなかったり、弱火も強火で対応しないといけない…と判断したり…。指示待ち君にしないためには、状態を見て判断させないと、弱火でやっていたのに…と人のせいにして考えずにマニュアル通りやったという料理をつくる…そんな人たちとたくさん出会いました。

その結果への感想というか、私の考察。

とにかく、失敗した方がいいんじゃない?

水分が飛ばないように配慮しての弱火とか、焦がさないための弱火…など、なぜそうするのか?それがわかってからの作業。臨機応変に状態を見て対応すると思うのです。

尋ねられるのが面倒だから…人数多い対応は大変!確かに。でもね、それよりも問題なのは、失敗させないで成功させる怖さ。

失敗しないで成功体験…何事も何度も失敗してうまくいくようになる…という学びを無視して何でも1回でうまく行かなければならない…。大人の他者からの評価(指導できない)などを意識した強迫観念から生まれる失敗させないための指導には、生徒の成長は少ないと思うのです。

教員の自己満足はあっても、実際にそんな人たちの指導したあとの生徒たちを対応する…私だけではありませんが、そんな体験をした時に全く動けない…そんな生徒たちに唖然とする体験は多いのです。

 

ではなぜだろう…?をつきつめていった時に、失敗したことがないからかも…?なんて思ったのです。

強火で沸騰させ続けて水分がなくなったものを食べた…食べなくても水を足せばいいのでしょうけど、そんな現象に対する理解が乏しいから、火加減も気にしない。状態を見ない。そして、「書いてある通りに作った」という。ならば、書かない方がいい。

なんでも書いて伝えて…マニュアル通りに動く指導をするようにして…と指導する自分の力量に自信がないから…とされている話を聞きながら、確かに…私も試行錯誤…そうしていたこともあり。だけど、上達しないんだよね…その場さえこなしてくれたらいい…。それって、高校で大学さえ通ってくれたらいいという発想と似てない?

 

考える力とか言っているけど、一番の足かせは、教師の失敗を恐れる姿勢というか、どうしたらいいか?と生徒をベルトコンベアーに乗せる方法…つまり操り人形に仕上げる方法の研究は余念がないけど、実力つける為の研究はしない…といばって操り人形にする指導のためのテキストを発表した人を思いだしました。だいたい、これをいいという人は、調理を教える力がない人だけだよ…ってね。当人の話もほんとうにわかっていない…って、何がわかっていないかというと身につけされたいことは何かというポイント。一番最低な方法だと私は思っています。マニュアル君作り。

調理実習で学習した内容が充分に活かされないま. ま,大半が忘れ去られている…忘れさせるようにつくったテキスト。覚える必要性がない。自分で記録も何もしない…これは、学習ピラミッドのどこに位置するか…?行動をしていても、頭を使っていないに分類される…ってね。ただ、これは料理の本特に、苦手な人用として売られている本の体裁と似ている。つまり、うまくならずに本を買わせるためには有効な手段かもね。

 

時間内に実習さえすればいい…なら、一番簡単だけど、実力つかないよ…。

こんな指導をしていては、就職難直撃コースに行けそうですね。

 

 

前頭葉を使いながら、調理するためには…?

教師が指導楽イコール失敗をさせない。

 

失敗を1回くらいさせた方が次からの伸びは大きい…くらいに構えることができない…大人が増えているからかなぁ…なんて思わされる話はたくさん。多分、料理だけでなくいろいろがそんな感じになっているのでは…?もう布に線が引かれた被服実習。工作などもそうかもね…。

頭使わないででき上がりがいいように…と仕組んだ結果の考える力のない若者たち育成結果と考えない若者…って言われる話を聞くのでした。もちろん、学校が全てではない…一番大きいのは家庭での学びと思ってます。

 

 

 

投稿者:

nova

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