グローバル人材育成に向けた国際化戦略

新聞の広告欄ですが、読んで気になった文章だけアップします。

 

神戸大学・京都大学・大阪大学

中国蘇州シンポジウム 主催:池田泉州ホールディングス池田泉州銀行

日本経済新聞2012年10月22日

○主催者あいさつ 服部盛隆氏

グローバル時代に不可欠な人材とは、共通の言語で話し合え、双方の国の文化や習慣を理解でき、問題解決能力を備えた人です。本日は…

蘇州市は、池田泉州銀行の創業の地の一つである活けだしと1年前から友好都市関係にあります。また、およそ1700年前、後の国から機織りの技術が日本に伝わりました(日本書紀)。それが池田市であったといの言い伝えが残るなど、いにしえからの深いつながりがあります。その蘇州市から、中国と日本はもちろん、世界に向けて有意義な情報を発信し、相互理解を深めながら、不動の隣国である中国との懸け橋として、シンポジウムを通してお役に立つことができれば幸いです。

○近畿経済産業局 局長 小林利典氏

様々な難題が渦巻く世界情勢を打破するには、グローバルな視点が不可欠です。それを推し進めるグローバル人財とは、会話はもちろん、互いの共通点や相違点を正確に理解し、各々の文化や伝統を尊重し合うことが自然にできる人だと思います。言いかえれば、国の違いを障害ではなく、チャンスととらえる人です。…

○講演 神戸大学 学長 福田秀樹氏

いま21世紀のグローバル社会が抱える喫緊の課題を解決できる人材の育成が求められています。必要とされる人材像は深い教養と高度な専門性、グローバルな視野を供え、問題解決だけでなく、「問題発見型リーダーシップ」を発揮できる人です。異文化を理解し、日本人としてのアイデンティティーを供えていることも重要です。

京都大学 総長 松本紘氏

いま地球上には70億を超える人間が生存しています。人口は増加の一途をたどり、資源をどんどん食いつぶしている。この状況が続けば、現代文明が安泰でないことは明らかです。確かに豊かさを支えるのは学術研究であり、それに基づく科学研究です。しかしそれだけでは、いつかどこかで大きな問題に突き当たります。

そこで必要となるのが、人類の将来を見通せる力を持つリーダーです。確固たる世界観や哲学、志を持ち、視野が広く、外国語を駆使して十分なコミュニケーションができる。日本人としての自覚を持ったトランス・カルチャラルな人です。

中国の唐で学んだ空海は「国家の興亡の元は人にあり、人の育成は定めて教育にあり」と言っています。…

大阪大学 総長 平野俊夫氏

現代社会の抱える、複雑かつ地球規模の課題は、高度な専門性だけで解決することは難しい。従来の常識や枠組みを超え、異なる分野の知識や経験を終結することが不可欠です。そこで求められるのが高度な専門性を備え、総合的かつ的確な判断ができ、複雑で困難な課題に挑戦し、解決するためのネットワークを持つ人材です。

○復旦大学 副校長 馮暁源氏

これらの取組みを通じて再確認できたのは、グローバル人材を擁する世界トップクラスの大学とは開かれた学校だる事。そして絶えず教育・研究レベルの向上を図り、積極的に国際交流と国際協力を展開することが大事だということです。その結果、グローバルな視野を持つ人材が育ち、大学の発展に寄与する力になると考えます。

○上海交通大学 校長 張傑氏

いま大学では世界規模の課題を解決できる優れたリーダーを育成し、高度な研究を推し進め、国際化を通じて大学自身が変革と発展に取り組む必要があります。正に国際化は世界トップクラスの教育機関となるのに避けて通れない道です。

一方、中国は経済モデルの変革期にあります。持続的な経済成長を遂げるため、従来の労働集約型から知識集約型へと転換しなければいけません。教育手法もそれに合わせて変えていく必要があります。ポイントは知識の伝承だけでなく、知識の探求心、専門知識の向上、人格の養成と言う3つを、学生中心に三位一体で行うことです。

○浙江大学 校長 楊衛氏

…未来のリーダーとは、孫子兵法でいう「智、信、仁、勇、巌」の5つの資質を備え、国際的視野と異文化理解、多様なコミュニケーション能力を持つ人です。

そうした人材を育成する上で理解すべきトレンドは、これまで人は東から西へ、南から北へと移動し、知識はその逆に流れていましたが、国際交流が活発化したことで世界は互いに影響し合う段階に入り、ウィン・ウィンの関係を築くことが大切になったという点です。

ディスカッション

グローバル人材の具体像について

松本 グローバル人材の育成を考える上で、もう一つ重要なポイントがあります。それはリーダーとして活躍する人と、それを支える人の2種類の人材を育成する必要があることです。当たり前ですが、リーダーだけでは仕事は進みません。リーダーとは自ら進んでパラダイムシフトを起こせる人。そして強い意志と責任感を持った人です。

平野 …

そこで重要なのが、文化や宗教、言語などの違いを理解し尊重できる能力です。また多様かつ複合的な課題の解決は専門知識だけでは無理で、専門と専門をインタラクティブにつなぐ能力もいるでしょう。

「木を見て、森を見ず」ということわざがありますが、物事の一部や細部にとらわれ、全体を見失うことがないように、地球規模で俯瞰することが大切です。つまり正しい判断を下すには、目の前で起こっている事象の本質は何であるか、本質を見抜く、見極める力が必要です。また孔子の教えにある「怒」。相手の立場に立って物事を考え行動することも大切です。そして寛容の心。相手を受け入れて共生していくことも必要です。

張 予測が困難な現代、地球規模の課題を従来の常識や枠組みにとらわれていては解決することは難しい。そこで道の課題を解決できる力、イノベーション能力がとても大事です。

ではそうした能力を育成するのに、どうすればいいのか。科学技術の知識を掘り下げるだけではだめで、人文の知識を学ぶことが欠かせません。未来を見通すには文化・文明の発展の歴史など、過去を正しく理解することが必要です。多元的な文化はいけ煮の中で、異文化を尊重することの大事さも同時に教えなければいけません。つまり人文の知恵を活かしつつ、科学技術の進歩を図ることが、未知の問題に対する解決方法であり、イノベーションを起こす力となるでしょう。…

閉会の辞 京都大学 総長 松本紘氏

今日シンポジウムが開催されたこの蘇州の地で、1300年前、唐の詩人である張継氏が漢詩「楓橋夜泊」この歌は張氏が役人試験に落ち挫折した際に作った歌ですが、彼はその後猛勉強して役人となり、国際的なリーダーとして大いに活躍されたそうです。彼のように自ら考え、実践して初めてグローバル人材としての資格ができる。仏教の教えでいう「聞・思・修の三恵」が大切だと思います。

人を育てることは国を超えた人類共通の課題。日中両国が互いに学び、尊敬し合い、対話し、ともに成長していくことを願ってやみません。

 

この全面新聞広告。

有意義なでも、危険なイベントだっただろうとしみじみ思います。なぜなら、今の中国と日本との関係。イマイチ。

国交正常化40周年という記念行事のうち、開催が見送られたりしているケースもあると聞きます。そんな中で、あったこと自体に有意義さを感じます。

拝読していて思ったことは、このレベルで国全体が動くか?そこは疑問であるということ。

ただ、この意識を持って次世代を育成されなければ、確かに未来はないかもね。ただ遅いなぁ…スタートとは思います。だから、ヨーロッパも今大変~って状態になっているんだよね…多分。だから、きっと近い将来、大変~がやってくるだろうな…と思わされました。

 

正直、私立に我が子をやって、教育はこれで安心~って思っている親。これも一つと思います…って、自分でできる自信がないなら誰かに頼むって意味で。だけど、親世代の高学歴化が進む中で大切なことは、親がどう子どもを育てるか、主体的に親が行うことができるかどうか…これがこれからの時代を生き抜くことができる子どもになれるかどうかだと思うのです。

公立学校の限界というものもありますね。その中で、真のグローバル化に対応できる人材になれるか否かは、学校裁量ももちろんあると思いますが、それよりも親の教育力だと思います。それが欠落していれば、その子どもは大人になって自分で身につければいい…?出会いは大きいですね。公立学校での教育の求めるところが、文部科学省が何を言っても変わらない…っていうのを辞めること。つまり、本当に変えることが大切だと思います。ただ、それをするのは難しい…?難しい話ではなく、簡単な話。企業ではできて、官公庁公立でできない理由は一つ。姿勢が違う。JRやJTなどに学ぶことが大いにあると思いますね。そして、ある意味で断行しなければいけないと思います。

 

投稿者:

nova

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