ジャケット

ジャケット

主要となる服種の中でも、最もアイテムバリエーションが広いジャケット。

アウターウエアだけど、防寒性、ファッション性だけでなく、どのような生活場面で着用するのかということが、素材デザインに大きく表現されてくる。

通勤着として着用したり、改まった外出のために着用する場合は、18世紀や19世紀に原型ができていたアイテムが柱になる。

これらのアイテムは、かちっとしたシルエット表現が重視。

1970年代以降に登場したソフトなシルエット表現のジャケット。

ウィークエンドに着用したり、カジュアルに切るジャケットは、スポーツウエアやアウトドアウエアをルーツとするアイテムが多くなっている。

 

【テーラードジャケット】

「テーラード」は、「男物風な」「紳士服仕立の」という意味。

肩パッドや裏地が付いた堅い感じのするジャケット。

1列のボタンで留めるシングルブレステッドと、2列のボタンでとめるダブルブレステッド。

テーラードに対応する「婦人服仕立て」はドレスメーキングという。

 

【ブレザー】

テーラードジャケットを基本としながら、よりルーズフィットで、スポーティに仕上げたフランネル性のジャケット。

メタルボタン、パッチポケット、エンブレムなどが特徴。

本来、紺や濃い赤、茶など派手な原色、太いストライプが用いられるが、いわゆる婚ぶれが最も一般的。

 

【チュニックジャケット】

「下着」を意味するラテン語の「チュニカ」が語源。

古代ローマ時代に着用されていた。

膝下から足首までの長さの円筒形の服のこと。

現代ではヒップから膝具ありまでのほっそりした円筒型シルエットの上着を言う。

この下の文章は、サイトから。http://www.mode21.com/fashion/tunic.html

チュニック・スーツは、長い丈のジャケットと共地のパンツかスカートの組み合わせとなったスーツのこと。チュニックは、冒頭の意味以外にも、古代以来の貫頭衣(かんとうい)型の衣服の意味ももち、ここでは、スリークォーター・レングス(4分の3丈)のロング・ジャケットをさす。

 

ん…図間違えているかな…

ロングとルソージャケットの図かも…?

 

【ロングトルソージャケット】

「トルソー」とは、身体の「胴」の部分を指す言葉。ロングトルソーは「長い胴」すなわち、ヒップが隠れるくらいの長さで、ソフトに身体を包み込むシルエットのこと。

【ノ―カラージャケット】

襟がないジャケットのこと。

ラウンドネックやVネックなど、ネックラインの変化がデザインポイントとなる。

【ショートジャケット】

北家がウエストまでの短いジャケットのこと。

横隔膜が見えるぐらい短いと「ミドリフジャケット」「マイクロジャケット」などという。

【ボレロ】

スペインの民族衣装がルーツの、丈の短い前開きのジャケットのこと。

闘牛士が着用するモノは「マタドールジャケット」「トレアドルジャケット」と呼ぶ。

【ペブラムジャケット】

シェープしたウエストから下の部分にフレアを入れた女らしいシルエットのジャケットのこと。

【スペンサージャケット】

ウエストがシェープされた、丈の短いジャケット。

スペンサーの由来は、イギリス貴族のスペンサー伯爵にちなんだもの。

【ルダンゴトジャケット】

18世紀に男性が着用していた乗馬服(=ライディングコート)に由来する。

見ごろは身体にそってシェープし、裾に向かってフレアが入るフィット&フレアシルエットが大きな特徴となっている。

【ノーフォークジャケット】

19世紀後半に、イギリスで狩猟用やゴルフ用に着用されていたジャケット。

原型は、ノーフォーク侯爵が着用していた狩猟服。

肩から脇ポケットにかけて 前後に配したボックスプリーツと、ウエストベルト、皮のくるみボタンなどが特徴。

【マオカラージャケット】

「マオ」とは中国の故・毛沢東のこと。

彼が着用していた人民服の襟をマオカラーと呼ぶ。

マオカラー(立ち襟と折り返った襟の両方がある)やチャイニーズボタンが特徴。

【コートジャケット】

コート素材で作った、着丈も通常のジャケットより多少長めのジャケット。

ジャケットとコートの中間に位置する。

【アンコンジャケット】

アンコンストラクテッド(非構築的な)ジャケットの略。

テーラードジャケットを基本に、肩パッド、裏地、信じを省略したソフトジャケットのこと。

【スクエアジャケット】

「スクエア」は「四角」という意味で、四角いシルエットのジャケットのこと。

ウエストがあまりシェープしていない、短い着丈、肩パッドでマークした肩線が特徴。

【ベルテッドジャケット】

ジャケットと共布で作られたベルトがデザイン要素として重視されているジャケット。

マニッシュ感覚の表現として用いられることが多い。

【ブランケットジャケット】

「ブランケット」は「毛布」のこと。

毛布のような厚手のウール地で作られた大きな幾何柄が特徴のジャケット。

元来は、北米インディアンが来ていた防寒用コートが原型。

【ウエスタンジャケット】

西部開拓時代のカウボーイが着用していたスエードジャケットが原型。

ショルダー部分のヨーク切り替え、袖や裾に付いたフリンジが大きな特徴。

【サファリジャケット】

「サファリ」は「狩猟旅行」という意味。

猛獣狩りをする際の狩猟服にヒントを得た活動的なシャツジャケットのこと。

エポーレット(肩章)、大きなパッチポケット、共布ベルトつきが一般的。

【ジージャン】

デニム地で作られたジャケット。

全体に施されたステッチワーク、両胸に付いたパッチ&フラップポケット、フロントプリーツが特徴。

【カバーオールジャケット】

従来カバーオールズはアメリカの自動車修理工などの作業用のつなぎのこと。

ツナギをカバーオールスーツ、上着をカバーオールジャケットと呼ぶ。

洋服の上に重ねて着ることからこの名前がつけられた。

素材はデニム、キャンバス等が使われる。

【ライダーズジャケット】

バイカー用に作られたレザージャケット。

エポーレット(肩章)、ジッパーフロント、ジッパー付きのポケットや袖口、裾に付いたベルトなど、ハードイメージのデザインが特徴。

【フィールドジャケット】

元来は陸軍の野戦用だったが、丈夫な素材を用いているため、防水性に優れ、たくさんのポケットによる機能性の高さから、釣りや狩猟用として広がった。

近年は、アウトドア感覚のアウターとして人気が高い。

【マウンテンパーカ】

登山用のフード付きジャケット。

フード、コードで縛れるウエスト、マジックテープ使いの袖口やポケットなど、防風性、防水性、防寒性の三拍子そろった機能性が特徴。

【アノラック】

ナイロンやギャバジンなどの防水加工された素材で作られた、防風、保温の目的で着用されるフード付きジャケット。

エスキモーが着用した「アノラク」という上着が語源。

【ウインドブレーカー】

元来は、野菜選手やゴルファーが防寒・防風の目的で着用するジャンパー。

ナイロンや防水加工された綿で作られる。

スポーツアイテムのひとつとしてカジュアルウエアでの人気が高い。

【スタジアムジャンパー】

本来は、野球選手がスタジアム(競技場)で着用する防寒用のジャンパー。

ベースボールジャケットともいう。

身頃がメルトン地、袖がレザー、襟、袖口、裾がリブニットで、胸や背中にチーム名のロゴ文字やマークが付けられている。

【スイングトップ】

ゴルフ用のジャンパーを指す和製英語。

襟付き、ジッパーフロント、ラグランスリーブが特徴。アメリカでは、トリズラージャケットと呼ぶ。

【フライトジャケット】

1930年代以降、アメリカ軍が開発したパイロット用のジャケット。

高空域という過酷な環境に耐える防寒性、耐久性に富んでいる。

A-2、MA-1、N-3Bなどが代表的な品番。

現在はサープラスウエア(アメリカ軍の放出品)の人気アイテムとして定着している。

【ダウンベスト】

羽毛を詰めてキルティングしたベスト。

【ダウンジャケット】

「ダウン」とは鳥の羽毛のことで、軽く、保温性が高い。

主にナイロン字で、中に羽毛を入れたジャケットは、本来アウトドアアイテム高が、近年はカジュアルアウターとして人気が高い。

【フィッシングベスト】

釣り用のポケットがたくさんついたベスト。

着丈はウエストよりも短い。

厚手のセーターなどの上に着用するが、その便利さからアウトドアウエアとしてばかりでなく、カジュアルウエアとしても人気が高い。

【ベスト】

ジャケットとシャツの間に着用する、袖のない道着のこと。

ベストはアメリカでの呼称。イギリスではウエストコート、フランスではジレという。

スーツと共布ではない素材のベストをオッドベストということもある。

【プードルジャケット】

まるで犬のプードルの毛並みのように見えるフェイクファー素材を用いたジャケット。

【フリースブルゾン】

「フリース」は「パイル上ポリエステル起毛素材」のこと。

元来アウトドアウエア素材として開発された。

保温性があり、軽くてイージーケアなので、カジュアルアイテムとして一気に拡大した。

 

『ファッション販売ガイドブック 1995年5月20日発行ファッション販売5月号別冊』を参考。

 

 

 

投稿者:

nova

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